空道とは
空道とは、空手の打撃技をベースに投げ技、寝技を技術体系に取り入れた打撃系総合武道です。
現実の闘争の場において自ら敵に密着したり寝技に引き込むことは、相手が多人数だったり刃物などを持っているなどした場合、非常に危険です。
そういった点も踏まえ、大道塾では、打撃を技術の中心に置き、道着を着て稽古、試合をする事で、『路上の現実』において真に有効な実践的武道を探求しています。
具体的な考え方は下記のとおりです。
1. 空手とは
空手とは、立位におけるあらゆる体勢下で自らの四肢、頭部、体幹を使って、相手のどの部分をも加撃し得る技術を追求する、打撃において最も制約の少ない武道であり、その真骨頂は「殴られず、投げられずに殴る」にある。
2. 格闘空手とは
上記の技術を実戦において使用し得るレベルにまで昇華するという目的を持ち、最も打撃技の制約が少なく投げをも認めるルールでそれを検証する空手である。
3. 空道とは
格闘空手の技術に加え、寝技においても対処可能なよう、ルールに絞め技、関節技、寝た状態での打撃(制限付き)を加えたものである。
4. 空道の技術とは
・・・ 突き、蹴りだけでなく頭突き、肘打ち、膝蹴り、金的攻撃を含む
② 打撃を最大限に発揮する為の固め技
・・・ 立った状態での服を使った相手の固定
寝た状態での実戦性に裏打ちされた抑え込み(打撃し易い抑え込み)
③ 打撃を最大限に発揮する為の組技
・・・ 首相撲、差し、手取り、ガブリ、道着のコントロールなど
④ 投げ技、倒し技
・・・ 相手のバランスを崩し倒れさせる技
⑤ 関節技、絞め技
・・・ 相手の攻撃にかからない程度のレベルを目指す。出来ればこちらから極められるくらいのレベルまで上達することが望ましい。
『空道』の『空』には『空手道を元に発展派生した新たな武道』という意味と、仏法における『色即是空 空即是色』(この世の全てのものは"空"であり、故に"空"こそがこの世の全てを内包する、の意)という考えが表現されています。
大道塾とは
初代塾長 東 孝
TAKASHI AZUMA
大道塾は極真空手の第9回全日本チャンピオンでもある東孝塾長が1981年に創立した、日本有数の規模を持つ(現在国内支部100ヶ所以上、海外支部は約60ヶ国以上)、打撃系総合武道の団体です。
創立当初は空手道の一流派として、競技名を『格闘空手』と称し活動しておりました。しかし打撃技に加え投げ技、絞め技、関節技を認める総合的なルールであることから、従来の空手道の枠組みの中で活動する事に関して誤解、曲解を招きやすいため、2001年より競技名を『空道』と改めました。
ちなみに大道塾の大道は『大道無門』(大道に至るに門なし。すなわち人の世の全てが修行の糧、至高に辿り着く道程となりうるのだ、ということ)という言葉を基に命名され、強さのみを追い求めるのではなく強さに至る道を通じて人を育てる団体でありたいという願いから『会』とせず『塾』と命名されました。
横浜北支部の特徴
①技術(フォームと戦術)をstandard(基本的な身体、頭の使い方)、nonstandard(基本的ではない身体、頭の使い方)、only one(その人独自の身体、頭の使い方)に分けて教えています。
standardは基本的に穴のない技術、身体運動学的な面と戦術面の間で齟齬をきたさないbasicな技術で、誰もが出来なければなりません。
nonstandardは短所も多くあるが長所もまた捨てきれない技術や体型・体格・身体能力等によって向き不向きのある技術で、人によって覚えなければならなかったり覚えなくて良かったりする技術群です。
only oneはstandard、nonstandardを塾生一人一人、オリジナルの配分で混ぜた、その人だけの技術です。
standardをしっかり身に付け、nonstandardな技術群の中から自分の特性に応じた技術を選んで身に付け、only oneの技術へと昇華させていく、というのが基本的な流れです。それぞれが自分の形を持つことは非常に重要なことですがそれも基本を抑えてのこと、上達に近道はありません。横浜北支部はそれをほんのちょっぴりお手伝いさせて頂いています。
②フォームと戦術もさることながら、反応と間合いを非常に重視しています。
局面局面での自他の反応の積み重ねが試合を構成しているのですから、相手の行動に対し常に理に適った素早い反応を最適のタイミングで出来れば結果的に試合に勝てます。
加えて反応して出した技がスピード、パワー、距離ともにドンピシャであれば効果的に相手に打撃を効かせることが可能となります。
ちなみに、これらの要素は無目的にミットトレーニングやスパーリングなどを繰り返していても身に付きません。最適な反応と間合いを構成する要素を局面ごとに分解し、それらを段階的に身につけていく作業が必要であり、またその目的のために稽古内容(サンドバック、ミット、約束組手など)はそれぞれが有機的な繋がりを持つ必要があります。
詳細は③に譲りますが、それぞれの稽古内容が段階的な繋がりを持ち、それを指導する側とされる側が共に明確に理解し、しっかりとした目的意識を持って稽古をして初めて、効率的に試合や実戦(!?)で発揮できるパフォーマンスレベルを向上させることが可能となります。
横浜北支部では、どのようなことを最終的にしたいから今このような稽古をしていて、この稽古はあの稽古とこういう関係にあって、といったこと(マラソンに言い換えればゴールはあそこで、今ここを走っていて、もう少し行くと長い坂があるとか左にカーブしているとかいった情報ですね)を支部長が細かい性格に飽かせて毎回グチグチしゃべります(笑)。しかもそれぞれ個々に(爆)。パーソナル・トレーニングのような、と言えば聞こえは良いですが要は支部長が体型のわりに細かくてしつこいだけです(大爆)。
③スパーリングと他の稽古との関係を明確にしています。
横浜北支部ではスパーリングを発表会、普段の稽古をその準備と捉えています。
基本と移動でstandardが身に付いたか確認し、
ミット、サンドバックでstandardや自分に合ったnonstandardの単打、連打のフォームおよびそれらをより素早く反応して出す稽古を反復し、
技の研究でonly oneのフォーム、戦術、反応の型を作り、
約束組手で限定した局面におけるリアルスピードでの技の応酬の中で、自らのonly oneが機能するかチェックし、
最終的にスパーリングで積み重ねてきたことを発表する、といった具合です。
それぞれが課題、目的意識を持って稽古をしている為か、単にそうすることが好きなイタい人たちが多いのか(笑)、横浜北支部ではかなり激しいスパーを週1ペースで行っています。
ちなみにダメージの蓄積など負の部分に関しては、支部長が医療人として出来うる限りフォローしています。もちろん、スパーが嫌な人に無理強いしたりまだそんなに出来ない人をボコボコにするといった事は皆無です。